ちょっぴり、もの悲しい

春はスピッツの歌がよく似合う。
水をたっぷり含んだ筆で書いたような薄い空色。

夏の近づきを感じさせる暖かい日差しとまだ冬が傍にいることを思い出させる肌寒い風。

別れもあるし出会いもある。うれしいようなさみしいような。

このまま変わらずにいたいような、新しいことを始めたいような。

そんな不安定な心情にそっと寄り添ってくれる。

 

冬は、セカイノオワリがよく似合う。

深瀬さんの声が澄んだ夜空をさらにクリアにしてくれて、星がとてもきれいだ。

簡単な奴だなぁ

さいころの好きな歌は、別れとか失恋とか喪失感を歌っていたものが多い。プリプリの「ジュリアン」沢田知可子の「会いたい」とかね。

思春期には、尾崎豊とか。満たされたい、愛されたい。みたいなものを歌ってるのが好きだったな。

今でも、遠距離恋愛とか、死に別れとか、切なくてセンチメンタルなものが好きだし、その世界観が好きだし、その感覚の中に落ちていくのが好きだ。

そのせいなのか、持って生まれたものなのか、私はかなりネガティブな性格をしている。結局、ネガティブが好きなんだろうし、居心地がいいのかもしれない。

ただ、ネガティブは往々にして周りの人に迷惑をかける。自分ももうしんどい。

だから最近はどうしたらポジティブになれるのか考えている。

ネガティブを思いついたらポジティブに変換するとか、まずネガティブな自分を受け入れるとか。ハッピーエンドの映画を見たり、他人の幸せな動画を見てみたり。

聞く曲もウエディングソングとか明るい曲を聞くようにしてみた。

ポジティブな歌の代表「ゆず」

久々にちゃんと聞いたら、めちゃくちゃ元気出る(笑)

PVとかめちゃくちゃ笑顔でニヤニヤして見てる(笑)
ゆず最高!!
そして、私、単純(笑)

 

小山田壮平 弾き語りツアー2018

仕事終わりに足早に中野サンプラザホールへ向かう。

小山田壮平の単独ライブは初めてだ。

へらへら笑いながらふらふらと歩いて出てくる彼から感じる柔らかさとは逆に、私は何を歌いだすのか、今日の彼の声を聞いて何を感じるだろうかと少し緊張していた。

この笑顔が大好きだ。

相変わらず、のびのびと力強く、時に柔らかく優しく歌う。

まったく、歌がうますぎる。

ピアノ伴奏の曲が繊細な歌詞と重なってとてもよかった。

ギターを置いて、手ぶらで歌う姿がとても大好きだと思った。

「706号室」という曲を初めて聞いた。とても好きな曲だった。

私の好きな「あの日の約束通りに」も歌ってくれた。

どうやら私は、彼が彼女がやってくるのを待っている歌が好きみたい。

「コーラとあの子の思い出」が歌になっていた。

どんな気持ちで曲にしたのだろう。想像できない。

彼の夢の中で聞かせてたらいいなと思う。彼女に届いたらいいと思う。

素直でまっすぐなとてもいい詩だ。また聞きたい。

CDを買って帰る。

今の小山田壮平がぎゅっとつまっているのだろうか。

「Do you Love Shiva?」うん。良い曲。

来年はインドに行ってみよう。

今ある縁

恋人に大切にされないとか

好きな人に相手にされないとか

仕事をがんばってるのに評価されないとか

うまくいかないことや思い通りに行かないことは

数えればきりがないほど出てくるけれど、

恋人でいられてるし、好きな人には会えてるし、頑張れる仕事があるし、

大切にしたいと思う人や仕事があるならば

相手の反応はひとまず置いといて

自分のペースで人を仕事を大切にすればいいと思う。

大切にしたいと思える、大切にできる縁があるのだから

ただただ大切にすればいい

冷やした水

モンマルトルで過ごす春は何度目だろうか

桜も散り 外はすっかり夏の様子だ

ペットボトルの生ぬるい水をグラスに注ぎながら

最後の日のことを思い出していた

 

「水、冷えていないんだね」

彼は そう言って冷蔵庫の扉を閉めた。

しまった そうだった

彼はいつも冷えた水しか飲まなかった

そして私はたくさんの水を冷蔵庫に冷やしていた

決してきらさないように

 

彼は、首元の伸びたティシャツを

顔まで引っ張り上げながら

流れ落ちる汗をぬぐっている

そして、もう片方の手で乱暴に私の荷物を取りだした

私は、「ありがとう 私の家にあった分もこれで全部よ」

そう言いながら彼の荷物をまとめた紙袋を手渡した

 

彼はうつむいたまま

「じゃあ元気でね やり直したくなったら連絡してきていいから」

本気とも嘘とも言えない声で言った

低く 柔らかい 懐かしい声だった

そして 顔を上げ ようやく私の顔を見た彼は

「じゃあ もう次の人見つけてもいいんだね?」

その言葉は 迷いや未練を含みながらする別れの確認だ

そしてそれは 彼の次の恋が始まっていることを教えてくれていた

 

あの日 あの最後の日

水を冷やしておけばよかったと思う

 

気が付けばそんなことばかりだ

彼にしておけばよかったと思うことがたくさんある。

 

窓から顔を出して手を振ればよかった

駅まで見送ればよかった

もっと話せばよかった

穏やかな幸せを手にしている喜びに気づけばよかった

 

この幸せでいいのだ

この幸せがいいのだ

幸せはどこかにあるわけでも

何かを手に入れてなるわけでもない

今 ここにあるということに気づくという

それだけ

彼のために水を冷やすという幸せ

 

遠くから教会の鐘の音が聞こえてくる

すぐ下の通りではアコーディオン弾きが陽気な音楽を奏でている

私は 風に揺れているカーテンをじっと見ながらぼんやりと考えていた

彼と半袖で過ごしたのはあの日だけだったかもしれないということ

そして 彼と過ごす夏はもう来ないということを

彼の誕生日。

ケーキを買ってお祝いしようという私に

「まあ。えら~い」

とだけ言って、少し迷惑そうな彼。

祝ってもらったところで対してうれしくないのだろう。

うれしい年でもないか。

とりあえずケーキとごはんの材料を買って帰る。

大量のとん汁と2.3日分のハンバーグを冷凍庫に。

「しばらくこれで生きていけるだろ」セット。

電気屋さんで待ち合わせをして誕生日プレゼントのドライヤーを物色。

夜ご飯の回転ずし屋にむかう道すがら

「ケーキ買ったの?」「うん」

なんて話す。

ケーキが入る余地を残しながらお寿司を食べた。

家についてすぐに

「ケーキ食べていい?」ってニヤニヤして聞いてくる。

ケーキを食べられるのがうれしいらしい。

「もちろん」と言って二人で直接フォークでかぶりつく。

「美味しすぎる!!どうなってるの?!」

といいながら食べる。

 

そうだった。彼はそういう人だった。

ケーキもご飯も誕生日を祝ってもらえることも、対してそんなにうれしくないのは本心だろう。

でも、やってくれたこと対しては100%受け止めて全身で喜んでくれる。

「期待しないし、無理してやってくれなくていいし、求めてないよ。

でも本当にありがとう。」

そういう人だ。

目標

昔、あなたが結婚する気持ちでいてくれるのだろうと感じられていて、でもはっきりとプロポーズしてくれたわけではないころ。

わたしはあなたとの結婚を迷っていた。

なぜなら好きかどうかわからなくなっていたから。

すでにドキドキがなくなって、キスもエッチもしたいと思えなくなっているのに

このまま結婚していいのだろうかと。

そして結局、結婚しなかった。

それでよかったと思う。

あのまま結婚していたら、あなたに対して、愛情もかけず、思いやりもなく、尊敬もしない、傲慢で自分勝手な妻になっていたでしょう。

今は、あなたを再び好きになれてうれしい。

あなたのくれていたたくさんの愛情を大切にかみしめながら、今度はたくさんの愛情を与えられたらいいなと思う。

あなたを幸せにするのが今の私の目標です。